鮮明で判定しやすいデジタル画像。検査時間も短縮でき効率アップ

大検では、従来のフィルム方式の放射線透過試験(FRT)に加えて、デジタル放射線透過試験(DRT)を積極的に活用しております。
2017年にDRTの規格であるJIS Z 3110が制定されたことを受け、いち早くCR(コンピューテッドラジオグラフィ)システムを導入し、DRTのノウハウを蓄積してまいりました。
また2025年には、リアルタイムで検査画像の確認が可能なDDA(デジタルディテクターアレイ)を導入し、大量検査の効率向上を実現しております。
FRT(フィルム)とDRT(CR、DDA)の比較
各方式の媒体や仕組みなどの違い
各方式によって透過放射線を画像化するための媒体や仕組み、必要となる装置などが異なります。最新のDDA方式は線像を記録する媒体を必要とせず、透過放射線を直接デジタル信号に変換する仕組みにより、かつてないリアルタイム性を備えています。


*大検ではX線(エックス線)だけでなくγ線(ガンマ線)によるFRTにも対応しております。
FRTの詳細及びX線とγ線の違いについてはこちら




各⽅式の特性⽐較
各方式の特性を一覧表にまとめました。
| フィルム方式 | CR方式 | DDA方式 | |
|---|---|---|---|
| 媒体 | フィルム(シート状) | IP(シート状) | DDA(板状) |
| 曲面への適用 | ○ | ○ | × |
| 線源 | X線・γ線 | X線 (※) | X線・γ線 |
| 分解能 | ◎ | ○ | ○ |
| 放射線感度 | △ | ○ | ◎ |
| ダイナミックレンジ | ○ | ◎ | ◎ |
| リアルタイム性 | × | × | ◎ |
| 撮影後の画像処理 | × | ◎ | ◎ |
| データの信頼性(改ざん等) | ◎ | ○ | ○ |
| データの保存性 | △ | ◎ | ◎ |
DRTのメリット
CR、DDA共通のメリット
鮮明で判定しやすいデジタル画像が得られる
DRTでの検査結果は視認性に優れたデジタル画像として出力され、画像上での正確な寸法測定も可能です。
大検では業界最高水準の画像表示・計測ソフトを導入し、試験体や要件に応じて最適化した画像を提供しております。
溶接部のブローホールの像質を比較すると・・・
フィルムでは微細なきずの像が不鮮明ですが、デジタル画像では比較的鮮明に写っています。

板厚差・肉厚差の大きな試験体を1回の撮影で検査可能→検査時間の短縮

検査結果の提出もスピーディー
DRTの検査画像はデジタルデータのため、配達や郵送の必要がなく、メール添付等で迅速かつ手軽に提出することができます。検査当日に複数先へ送付することも可能です。なおDDAを用いる場合は、お客様のご要望により撮影後直ちに検査画像を共有することが可能です。
CRの優位点
複雑な形状や円筒形の試験体にも対応しやすい

DDAの優位点
検査時間を大幅に短縮可能。大量検査も効率よく行える
DDAはX線を直接デジタル信号に変換する検出器であるため、撮影後直ちに検査画像をモニターに表示することができます。フィルム現像やIP読み取りの手間を省けることにより検査時間が大幅に短縮され、特に大量検査の効率が格段に向上します。
また、製造現場などで検査を進めると同時に、遠隔の事務所で画像の評価を行うといった活用も可能です。

積算平均処理によるノイズ低減で、よりクリアな画像が得られる
複数回撮影した画像を重ね合わせて積算平均処理を行うことにより、ノイズを低減させ、像質を向上させることができます

DRTの活用例・撮影例
大検では基本的に、出張検査にはCRを用い、持ち込み検査にはDDAを用いていますが、特に迅速な判断が求められるケース等、ご要望によりDDAでの出張検査にも対応いたします。(バッテリー使用可能で屋外検査にも対応できます)
要求事項に応じて最適な検査方式をご提案いたしますので、まずはお気軽にお問合せください。
CRの活用例と撮影例
CRの活用例(主な用途)
- 電力ケーブルの保守検査
- 溶接部の内部検査(探傷試験)
- 配管等の腐食検査(肉厚測定)
- 肉厚差のある鋳鋼品の内部検査
- コンクリート構造物の内部調査
CRでの撮影例
弊社はインフラ構造物における大容量の送電ケーブルジョイント部の定期的な保守検査に携わっており、安定した電力供給の一翼を担っています。
▼配管等の腐食検査(肉厚測定)


その他、電子機器やヒーター等の製品の内部状態や構造の確認、寸法測定など幅広く活用できます。
フィルム方式で撮影可能なもの、DDA方式で撮影可能なものは、基本的にCR方式で撮影可能です。
DDAの活用例と撮影例
DDAの活用例(主な用途)
- 部品等の大量検査(探傷試験)
- 不具合品やトラブル品、試作品の調査を目的とする内部確認
- 製品内部の構造・状態確認、寸法測定
- タンクやパイプ等の肉厚測定
DDAでの撮影例
(スマートフォン)

(ブラックライト)
▼内部確認・寸法測定例(非破壊検査装置ハンディマグナ)


従来法も含めて、よりお客様のメリットとなる検査方法をご提案いたします。
大検では業界に先駆けて新しい検査技術や設備の導入を行い、放射線透過試験においてもデジタル化に対応しておりますが、従来法で十分な検査ができる場合に過度な検査方法をおすすめすることはございません。
コスト面も鑑み、よりお客様のメリットとなる検査方法をご提示した上で、従来法、最新法のいずれにおいても経験豊富な技術者が第三者機関としての責任をもって検査・評価を行います。
PDF カタログ
【CR】デジタル放射線透過試験のご案内
【DDA】デジタル放射線試験のご案内
放射線透過試験(RT)のご案内





