〒570-0022 大阪府守口市暁町4番27号

営業時間 平日 8:30~17:30

デジタル放射線透過試験(DRT)

目的
内部欠陥検出

鮮明で判定しやすいデジタル画像。検査時間も短縮でき効率アップ

大検では、従来のフィルム方式の放射線透過試験(FRT)に加えて、デジタル放射線透過試験(DRT)を積極的に活用しております。

2017年にDRTの規格であるJIS Z 3110が制定されたことを受け、いち早くCR(コンピューテッドラジオグラフィ)システムを導入し、DRTのノウハウを蓄積してまいりました。

また2025年には、リアルタイムで検査画像の確認が可能なDDA(デジタルディテクターアレイ)を導入し、大量検査の効率向上を実現しております。

FRT(フィルム)とDRT(CR、DDA)の比較

各方式の媒体や仕組みなどの違い

各方式によって透過放射線を画像化するための媒体や仕組み、必要となる装置などが異なります。最新のDDA方式は線像を記録する媒体を必要とせず、透過放射線を直接デジタル信号に変換する仕組みにより、かつてないリアルタイム性を備えています。

放射線を透過させた写真フィルムを暗室で現像処理し、シャウカステンと呼ばれる観察器にフィルムをセットして観察・評価します。
*大検ではX線(エックス線)だけでなくγ線(ガンマ線)によるFRTにも対応しております。
FRTの詳細及びX線とγ線の違いについてはこちら
輝尽性蛍光体を用いたIP(イメージングプレート)に線像を記録し、IPを専用スキャナーで読み取ることでデジタル画像へと変換します。検査結果の観察・評価は、画像表示・計測ソフトを搭載したパソコンのモニターで行います。
DDAが透過放射線を電子的に検知し、撮影完了と同時にデジタル画像へと変換して任意の端末へ伝送。リモートでも即時に検査画像を確認することができます。画像表示・計測ソフトはCR方式と共通です。
各⽅式の特性⽐較

各方式の特性を一覧表にまとめました。

※下記は大検が保有する装置の性能や、大検の対応状況に基づく比較となります。
フィルム方式 CR方式 DDA方式
媒体 フィルム(シート状) IP(シート状) DDA(板状)
曲面への適用 ×
線源 X線・γ線 X線 (※) X線・γ線
分解能
放射線感度
ダイナミックレンジ
リアルタイム性 × ×
撮影後の画像処理 ×
データの信頼性(改ざん等)
データの保存性
(※)ご要望により、CR方式でのγ線撮影及びデジタル画像納品も可能ではありますが、IP(イメージングプレート)に線像が焼き付き再利用できなくなる場合があるためIP買取となります。まずはご相談ください。

DRTのメリット

CR、DDA共通のメリット
鮮明で判定しやすいデジタル画像が得られる

DRTでの検査結果は視認性に優れたデジタル画像として出力され、画像上での正確な寸法測定も可能です。

大検では業界最高水準の画像表示・計測ソフトを導入し、試験体や要件に応じて最適化した画像を提供しております。

溶接部のブローホールの像質を比較すると・・・
フィルムでは微細なきずの像が不鮮明ですが、デジタル画像では比較的鮮明に写っています。

板厚差・肉厚差の大きな試験体を1回の撮影で検査可能→検査時間の短縮
FRTに比べてダイナミックレンジが広く、肉厚差の大きな鋳造品や密度の異なる複合材なども1回の撮影で検査でき効率的です。(フィルムの場合は複数回の撮影が必要)
検査結果の提出もスピーディー

DRTの検査画像はデジタルデータのため、配達や郵送の必要がなく、メール添付等で迅速かつ手軽に提出することができます。検査当日に複数先へ送付することも可能です。なおDDAを用いる場合は、お客様のご要望により撮影後直ちに検査画像を共有することが可能です。

CRの優位点
複雑な形状や円筒形の試験体にも対応しやすい
DDAはパネル状の電子機器であるため曲げることはできませんが、CRで用いるIPはフィルムのようなシート状で柔軟性があります。試験体の形状に添わせて曲げる・巻きつけるなど、様々な形状の試験体及び曲面への適用が可能です。またIPはサイズも幅広く、スキャナーで最長152cmまでのロングIPを読み取ることができます。
DDAの優位点
検査時間を大幅に短縮可能。大量検査も効率よく行える

DDAはX線を直接デジタル信号に変換する検出器であるため、撮影後直ちに検査画像をモニターに表示することができます。フィルム現像やIP読み取りの手間を省けることにより検査時間が大幅に短縮され、特に大量検査の効率が格段に向上します。
また、製造現場などで検査を進めると同時に、遠隔の事務所で画像の評価を行うといった活用も可能です。

積算平均処理によるノイズ低減で、よりクリアな画像が得られる

複数回撮影した画像を重ね合わせて積算平均処理を行うことにより、ノイズを低減させ、像質を向上させることができます

DRTの活用例・撮影例

大検では基本的に、出張検査にはCRを用い、持ち込み検査にはDDAを用いていますが、特に迅速な判断が求められるケース等、ご要望によりDDAでの出張検査にも対応いたします。(バッテリー使用可能で屋外検査にも対応できます)

要求事項に応じて最適な検査方式をご提案いたしますので、まずはお気軽にお問合せください。

CRの活用例と撮影例
CRの活用例(主な用途)
  • 電力ケーブルの保守検査
  • 溶接部の内部検査(探傷試験)
  • 配管等の腐食検査(肉厚測定)
  • 肉厚差のある鋳鋼品の内部検査
  • コンクリート構造物の内部調査
CRでの撮影例
▼電力ケーブルの保守検査弊社はインフラ構造物における大容量の送電ケーブルジョイント部の定期的な保守検査に携わっており、安定した電力供給の一翼を担っています。
▼溶接部の内部検査(探傷試験)▼配管等の腐食検査(肉厚測定)
▼肉厚差のある鋳鋼品の内部検査
▼コンクリート構造物の内部調査

その他、電子機器やヒーター等の製品の内部状態や構造の確認、寸法測定など幅広く活用できます。
フィルム方式で撮影可能なもの、DDA方式で撮影可能なものは、基本的にCR方式で撮影可能です。

DDAの活用例と撮影例
DDAの活用例(主な用途)
  • 部品等の大量検査(探傷試験)
  • 不具合品やトラブル品、試作品の調査を目的とする内部確認
  • 製品内部の構造・状態確認、寸法測定
  • タンクやパイプ等の肉厚測定
DDAでの撮影例
▼内部確認例
(スマートフォン)
▼内部確認・寸法測定例
(ブラックライト)
▼内部確認・寸法測定例
(非破壊検査装置ハンディマグナ)
▼⾁厚測定例(配管)

従来法も含めて、よりお客様のメリットとなる検査方法をご提案いたします。

大検では業界に先駆けて新しい検査技術や設備の導入を行い、放射線透過試験においてもデジタル化に対応しておりますが、従来法で十分な検査ができる場合に過度な検査方法をおすすめすることはございません。
コスト面も鑑み、よりお客様のメリットとなる検査方法をご提示した上で、従来法、最新法のいずれにおいても経験豊富な技術者が第三者機関としての責任をもって検査・評価を行います。

PDF カタログ

【CR】デジタル放射線透過試験のご案内

【DDA】デジタル放射線試験のご案内

放射線透過試験(RT)のご案内

カタログダウンロード用
フォームはこちら

関連情報

    ASME規格

    目的 ASME 圧力容器規格による非破壊検査 ASME BPVCの非破壊…

    渦電流探傷試験(ET)

    目的 表面欠陥検出 導電性のある試験体に電流を流し、電流の変化を検出して…

    浸透探傷試験(PT)

    目的 表面欠陥検出 浸透液・除去液・現像剤を用いて、表面に開口した微細な…

    磁粉探傷試験(MT)

    目的 表面欠陥検出 試験体を磁化して磁粉を散布。肉眼では見えない微細な表…

    放射線透過試験(RT)

    目的 内部欠陥検出 レントゲンの原理で、溶接部や構造物の内部を可視化 …

    ヘリウムリークテスト

    目的 気密検査 分子の小さいヘリウムガスを用いて、気体漏洩の有無や箇所を…
ページ上部へ戻る