分子の小さいヘリウムガスを利用して、微小な気密漏れも高精度に検出。

ヘリウムリークテストとは
漏れ試験(リークテスト)は、真空装置や加圧容器、配管などの気密性を評価する非破壊検査の主要項目として世界各国で重要視されており、化学プラント、原子力、宇宙開発など様々な分野で広く活用されています。
中でも「ヘリウムリークテスト」は最も高感度かつ高精度な漏れ試験方法です。
分子の小さいヘリウムガス(He)をトレーサーガス(検査用ガス)として用いることで微小な気密漏れも検出することができます。
そのため、許容リーク量(漏れ量)が特に厳しい※精密機器や原子力関連機器のリークテストにも用いられています。※10-7(Pa・m3/s)〜10-11(Pa・m3/s)程度

なお、ヘリウムリークテストでは気密漏れの有無がわかるほか、試験方法により漏れ量の定量化や漏れ箇所の特定が可能です。
トレーサーガス(検査用ガス)にヘリウムを使用する理由
- 大気中に含まれる量が5.2ppmと少ないため誤反応しにくい
- 分子が小さいため微小漏れ箇所の検出に最適
- 不活性ガスなので排気系を汚染しない
- 高感度な漏れ量値が計測できる
- 人体に無害で爆発の危険がない
ヘリウムガスを高感度に検出する「ヘリウムリークディテクタ」
「ヘリウムリークディテクタ」の分析管がヘリウムガスとその他のガスをイオン化して識別し、ヘリウムガスが漏れていれば瞬時に感知し、リーク量(漏れ量)を表示します。

技術者の知識と経験も必要

ヘリウムリークテストを行うには、真空と漏洩の特質について十分な知識と経験が必要です。
幅広いお客様のご要望に対応するため、弊社では日頃から技術者教育及び資格取得に力を入れており、実務経験を積んだ技術者が試験を行います。
NDTの漏れ試験(Leak Test)資格保有者指定の案件にも対応可能です。
ヘリウムリークテストの主な試験⽅法と活⽤例
試験方法は大きく分けて「真空法」と「加圧法」があり、全体リークの定量化が必要か、漏れ箇所の特定が必要か、などによって使い分けます。
また、特殊な製品に対しては、検査方法の有効性を確認するためにモックアップ試験による検査手段の実証も行っております。まずはお気軽にお問い合わせください。
真空法
「真空法」では試験品の内部を真空に排気(減圧)し、内部に侵入したヘリウムガスをヘリウムリークディテクタで検出します。
真空吹付法(スプレー法)

真空ポンプを用いて試験品内部を真空排気した後、吹付プローブを用いて外側からヘリウムガスを吹き付け、試験品内部へ侵入したヘリウムガスを検出します。
※漏れ箇所の特定ができますが、全体リークの定量化は難しいです。
真空フード法(外覆法)

真空ポンプを用いて試験品内部を真空排気した後、試験対象をまるごとフード(ビニール袋など)で覆い、フード内をヘリウムガスで満たし、試験品内部に侵入したヘリウムガスを検出します。
※全体リークの定量化ができますが、漏れ箇所の特定は難しいです。
加圧法
「加圧法」では試験品の内部にヘリウムを封入(加圧)し、外部に漏れ出したヘリウムガスをヘリウムリークディテクタで検出します。
スニッファー法(吸込法)

試験品の内部をヘリウムガスで加圧し、外側からスニッファープローブで常時吸引しながら漏れ箇所を検出します。ヘリウムガスは拡散しやすいため、試験品の下の方から吸引していき、反応した箇所をチェックしておいて、全体を吸引した後にチェック箇所を再度吸引して判定します。
※漏れ箇所の特定ができますが、全体リークの定量化は難しいです。
加圧積分法

試験対象箇所をまるごとフードで覆い、試験品の内部をヘリウムガスで加圧し、フード内に漏れ出るヘリウムガスを一定時間溜め込み濃度を上げます。フード内の気体をスニッファープローブで吸引してフード特定箇所のリーク量を測定します。
※フード特定箇所の定量化が比較的容易にできますが、漏れ箇所の特定は難しいです。
ヘリウムリークテストについてさらに詳しく!漏れ試験の最高位資格『LTレベル3』保持者による技術解説ページもぜひご参照ください。
ヘリウムリークテスト実施例
ヘリウムリークテスト試験実績
大検にてここ数年に実施したヘリウムリークテストの事例をご紹介します。
(2020年〜2025年12月)
| 実績件数 | 試験方法 | 対象品 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 実績32件 | 真空フード法 | 真空容器、真空タンク、真空用継手 等 | 試験体内を真空ポンプで真空引きし、溶接部及び継手箇所等をポリシート等で覆い、そのポリシート内に漏洩したHeガスの漏れ量を測定する。 |
| 実績12件 | 真空吹付け法 | 真空タンク、真空チャンバ、ヒーター 等 | 試験体内を真空ポンプで真空引きし、溶接部及び継手箇所等に直接Heガスを吹き付けて、漏れの有無及び漏れ量を測定する。 |
| 実績件数 | 試験方法 | 対象品 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 実績6件 | スニッファー法 | 鋳鋼バルブ | バルブ本体内を規定圧までHeガスで加圧し、一定時間Heガスを封入後、検知プローブでバルブの漏れ箇所を特定する。 |
| 実績17件 | スニッファー法 | 冷凍機 | 冷凍機の真空不良箇所を探す目的で、冷凍機内を規定圧までHeガスで加圧し、検知プローブで真空不良原因となる漏れ箇所を特定する。 |
| 実績40件 | スニッファー法 | 熱交機器 | 熱交機器のシェル側又はチューブ側を混合ガス(He+窒素)で規定圧まで加圧し、一定時間経過後に管板面の溶接部及び管内を検知プローブで漏れ箇所を特定する、又は漏れ量を測定する。 |
| 実績1件 | スニッファー法 | チャッキ弁 | チャッキ弁の出口側をHeガスで規定圧まで加圧後、入口側に検知プローブを差し込み、漏れ量を測定する。 |
| 実績1件 | スニッファー法 | 埋設配管 | 地上から1~2mに埋設されている配管を規定圧までHeガスで加圧し、地面に掘った穴(深さ約30cm)から検知プローブを挿入し、漏れ箇所を特定する。 |
| 実績7件 | 加圧積分法 | 容器 | 容器本体溶接部やノズル溶接部をポリシートで覆い、容器を規定圧までHeガスで加圧後、ポリシート内に検知プローブを差し込み、漏れの有無及び漏れ量を測定する。 |
出張検査全国対応/持ち込み検査対応
出張検査例
▲化学製品の製造に用いられる真空機器の気密漏れ試験
持ち込み検査例
▲真空フード法による持ち込み検査の様子
ヘリウムリークテストは、実績豊富な大検へ、ぜひご依頼ください!
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